トップアイドルの恋 Season2〜想いを遂げるその日まで〜
第十八章 トップアイドルの恋
明日香がデザインした真っ白な衣装を着て、コットンキャンディの3人がしっとりと歌い上げる。

ステンドグラスが美しいチャペルで、新曲のミュージックビデオが撮影されていた。

色んな角度から何カットも撮影し、そのたびに明日香は3人の衣装を整える。

(かっわいいー!あみちゃん。夢見る少女って感じ。りなちゃんとふうかちゃんも、大人っぽくてステキ)

パフスリーブのあみ、ホルターネックのりな、そしてオフショルダーのふうか。

3人とも、いつか来る結婚式を意識したような、優しく美しい横顔。

明日香はうっとりと撮影に見とれていた。

「はい、チェックOKです。お疲れ様でした」
「お疲れ様でした!」

無事に撮影が終了し、明日香は3人の着替えを手伝いに控え室に行く。

着替えを終えた3人から衣装を受け取っていると、ふと、壁に綺麗なドレスが掛けられたままなのに気づいた。

「あれ?このドレス、どうしたの?」

すると3人は、あー、それね、と声を揃えた。

「そのドレス、明日香に着て欲しいの」
「…は?どうして私が?」
「ふふふ、もうすぐ王子様が迎えに来るからよ」

あみの言葉に、明日香は、はい?と眉根を寄せる。

「その前に、ヘアメイクしまーす!」

聞き覚えのある声がして振り向くと、明菜がにこやかに近づいてきた。

「明菜ちゃん?!どうしてここに…」
「私だけじゃないわよ。ほら!」

視線の先を追うと、沙奈が美しいブーケを手に部屋に入って来た。

「明日香ちゃん!これは私からのプレゼント」

そう言って、沙奈は明日香にブーケを差し出す。

「あ、ありがとう、ございます。え、でもどうして?」

まだ事情が飲み込めない明日香を皆が促し、ドレッサーの前で明菜がメイクを始めた。

「あのね、明日香。今日は私達からのお祝いなの」

鏡の中の明日香に、りなが話しかける。

「お祝いって?」
「もちろん、結婚のお祝いよ」

ふうかも明日香に笑いかけた。

はあ…と気の抜けた返事をする明日香に、明菜は慣れた手つきでメイクしていく。

やがてメイクが整うと、髪もアップでまとめて煌めくティアラを載せた。

「ひゃー!なにこれ?ホントに私?」

鏡の中の自分に驚く明日香を、皆は早く!と急かして着替えさせる。

「嘘でしょう?!本当にこれを着るの?」
「そう、着るの!ほら、王子様がお待ちかねよ」

着せ替え人形のように、明日香は色々な人に飾りやアクセサリーを着けられる。

最後に明菜が明日香の髪にベールを着けた。

「うん!綺麗な花嫁の完成!」
「ホントだ。可愛い!明日香」

ウエストからふわっと広がるドレスは、胸元のラインも綺麗で、肩のパフスリーブも軽い素材で凝ったデザインだった。

あ、あの、一体?と戸惑う明日香を、あみ達は先程まで撮影していたチャペルに連れて来た。
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