教授の恋愛
「何ぼ〜っとしてたんですか?」

木下は明るくて少しだけはじけたような学生。


「なんもないよ」


まさか舞岡さんを見つめてた何て言えない。


「舞岡さんですか?」


木下が何かを悟ったように小さな声で言った。


「俺舞岡さんと2つ授業一緒なんですよ。見た目はやけに派手なのに誰よりも真面目っすよね。なんとなく…先生が見ちゃうのもわかります」


あー…なるほど。

そういうことか。

俺なんか疑われてるのかと思った…。


「それによくできる子だし…人は見た目じゃないよな」



この時は、なんで無意識のうちに舞岡さんを見つめてしまうのか、自分でもわからないでいた。
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