傷痕に咲く 〜パティシエ総長と歪な少女〜
「私、宮川凛が発案者であることを、この命令が双竜会の栄光の為であることを、ここに誓います。」
一息に言い、頭を下げる。
ガクガクと足が震えるが、言い切った!
自分でも驚くほど滑らかな発声ができた。
今、ホールで反響するあまり高くはない自分の声はまっすぐだった。
突如、響き渡る拍手。
それが重なり合い、ホールを揺るがす。
恐る恐る顔を上げると、たくさんに人たちが拍手をしている。
壮助がグッと親指を立ててこちらに微笑みかける。
それに同じく微笑み返した。
総長と共に壇上から降り、待っていたゆっこと蓮に飛び込んだ。
「頑張ったな、凛ちゃん。」
竜司くんがそう言って私の頭を撫でた。
「はい!総長のおかげです!」
思わずそう言ってしまって慌てて口を手で押さえる。
ピシリ、と顔が引き攣る竜司くん。
「やばい、俺凛ちゃんにすっごい嫌われたかもしれん……」
「バカ言わないでください。」
オロオロする竜司くんをいつのまにか現れた慎吾が小突いた。
「き、嫌ってなんかいないって!ごめんごめん、つい。」
「本当?」
げっ…犬!!!
助けを求めるように私をみた竜司くんが、めちゃくちゃ犬!!!
竜司くん、あなたいつから犬系男子に方向転換なさったのですか…?
気味悪さと可愛さが同時に襲ってきて脳内がパニック。
「あ、ほら、あまりにも竜司くんがかっこよくて、すごく『総長』って感じがしたからさ?つい…ってこと。」
竜司くんの目がキラリと輝いた。
対照的に、ゆっこと蓮が眉を顰める。
「無自覚人たらし…」といつだったか聞いたような言葉が聞こえてきたような気がしなくもない。