【コミカライズ原作】元カレに裏切られてすぐにエリート上司と出会うなんてあり得ないと思ったら計画通りでした
 結局、慰謝料は30万の請求で落ち着いた。事前に話し合って決めておいた通りだ。もしかして、優斗父が渋ると思ってわざと高めに提示したのだろうか。
 そんな疑問を口にする間もなく、川喜多さんが鞄から一枚の紙きれを取り出して優斗に見せた。

「あなたにはここに書かれた文面を厳守していただきたく思います。つきましては目を通していただいたあとサインをしてください」

 その文面を見た優斗はぎょっとした目で川喜多さんを睨んだ。

「何だよこれ。紗那に一切近づくなとか、同じ会社なのにそんなことができるわけないだろ?」
「あなたが彼女を見かけたら距離を置いてください。話しかけることは禁止です」
「なんで俺がそんなことしなきゃいけねーんだよ!」
「破るなら警察に連絡することになりますが?」

 優斗は「くそっ!」と声を上げてやけになったようにくしゃくしゃとサインをした。
 接近禁止命令ほどではないけど、ある程度の効力はあるだろう。
 私は少しばかり安堵した。

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