元カレに裏切られてすぐにエリート上司と出会うなんてあり得ないと思ったら計画通りでした

4、引っ越し先を探します

 何事もなかったかのように私は今朝も朝食を作っている。
 そして『優斗の母』からも電話が来るけど今朝は無視をしておいた。
 優斗はいつも通り遅刻するかしないかぎりぎりで起床する。

 あの夜、外泊したあと帰宅したら、優斗は戻っていなかった。
 着替えも持って出かけたから、おそらく浮気相手の家から直接出勤したのだろう。

「おい、そろそろ反省したか?」

 起きてくるなり優斗は私にそう言った。
 あれから優斗は私のことをずっと無視している。
 余計なことを話さなくていいので、それはそれで都合がよかった。

 以前の私なら無視されるのがつらくて、いちいち機嫌を取っていたけど、もういいやって思う。
 優斗は私がまったく動じないことに焦りを感じたのかもしれない、
 自分から声をかけてくるのはめずらしい。

「私が何を反省するの?」
「俺と母さんを怒らせたことだよ。母さん、言ってたぜ。紗那は女らしさがないってさ。俺に教育しろって言われちゃったよ。あはは」

 だめだ。怒りで震える。
 ここで言い返したいけど、今は耐えなきゃいけない。
 引っ越し先が見つかるまではここにいなきゃいけないんだから。

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