奮闘記などと呼ばない (王道外れた異世界転生)
 ちょっとここで、歴史のおさらいなど?

~*~ セシルの歴史教室:剣 ~*~
 剣とはSwordと書きます。この場合“w”はほぼ無声音で、発音は“ソード”に近いものです。

 剣は多種多様な種類もあり、形もあり、使用用途も違いますよね。今回は、その全部を紹介はしません(情報が多すぎでできません……)。

 剣は青銅器時代あたりから開発されたもので、ダガー(Dagger)から進化したものだと言われています。ローマ帝国が、今のヨーロッパで使用されている剣の前任者だったそうです。

 1220年代頃のドイツ騎士団では、シュヴェアト(Shcwert、ドイツ語で「剣」という意味) は、長い剣先に、丸い車輪型の柄頭(つかがしら)(剣の持ち部分の一番下) が流行してきます。

 15世紀過ぎからは、ドイツでツヴァイヘンダー(Zweihānder)という両手剣が出てきます。
 150cm前後のものすごい大きな長剣で、重さも3㎏ほどもあります。扱いが難しく、給与が2倍ににもなるエリート、“倍給兵(ドッペルゼルドナー)”の装備品となりました(by 『軍装・服飾史カラー図鑑』(イカロス出版))。

 両手剣の一種で、フラメンシュヴァアト(Flammenschwert、日本では“フランベルジュ”と呼ぶことも多い) という、ドイツ語で「炎の剣」というのもあります。
 刃のうねりが炎のように見える為、そう呼ばれました。刃がくねくねしてるんですよ、これが。

 カッツバルゲル(Katzbalger)と呼ばれる「喧嘩剣」もあり、これは接近戦に向く頑丈な剣です。ツバがS字型なのが特徴です。

 上記の三種類の剣は、ドイツのランツクネヒト(Landsknecht、「ドイツ傭兵」と呼ばれ、意味は「国の(しもべ)」といったような意味です)がよく装備していた剣です。

 16世紀、エリザベス女王時代になると、英国貴族の間からmレイピア(Rapier)が出てきますね。レイピアの名は、よくフェンシングなどでも出て来て、聞き慣れているものだと思います。

 15世紀後半から17世紀初めまでは、レイピアが、全欧州で一般的な剣でした。レイピアは細く長く、甲冑の隙間を突き刺す「刺突剣(しとつけん)」 です。

 ポーランドのフサリアが使用したシャブラ(Szabla)は。16世紀初めから使用され、17世紀には、サーベル(Saber(英)、Sabel(オランダ語)) と呼ばれるようになり、斬るのに適した湾曲した片手刀のことです。

 フランス18世紀後半では、エペ(Épée) が登場してきます。
 特に、フランス衛兵連隊(皆さん覚えてますか? あの懐かしき、有名な「ベルサイユのばら」で主人公のオスカルやアンドレが所属していた部隊です!) で使用された直刀のことです。

 衛兵隊将校のエペには、騎士の兜型の柄頭が装飾としてついています。真っ直ぐな長い剣に、ナポレオン・ブルーの上衣を着込み、黒いビコルン(二角帽) を被った将校サマ。カッコいいですねえぇ。
 これぞ、“西洋の騎士!”って、感じですよね(ふふふ)。

 19世紀初頭では、プロセイン陸軍で、騎兵科出身のブリュッヘルにちなみ、ブリュッヘル・ゼーベル(サーベルのこと) が登場。従来のサーベルよりももっと重く、重装備的な装いをしている湾曲剣です。

 ナポレオンは、湾曲したサーベルよりも、真っ直ぐなエペを好んだそうですよ。

 同じ頃、英国陸軍ではインドの影響を受けて、直刀ではなく、反りがかなり強い湾刀(タルワール)が好まれました。
 日本の刀も有名ですが、ここではそのお話はしません。日本の歴史も奥が深いですからねえ。

 この世界で出てくる剣は、ほぼ全部、エペよりも幅があり直刀の重い剣です。


 そんなこんなで、ちょっと歴史雑談でした。
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