マフィアのお兄ちゃん、探してます

湊と月羅先輩

朝起きて学校に行くと、マフィアの友達が声をかけてきた。
「っはよ〜はく!」
「おはようみなと」
双葉湊(ふたばみなと)。アールアール所属。
「おはよう白露〜」
「おはようございます、つきら先輩」
☾三日月☾というアカウントで歌い手をしてるマフィアで、部活の先輩、真宮月羅(まみやつきら)
月羅先輩はバルーンチャートに所属中だけど、お仕事中に仲間を庇って傷を負ってしまったため、絶賛休養中らしい。
お昼になると、湊と月羅先輩と一緒に屋上でお弁当を食べる。
「月羅先輩傷大丈夫ですか?」
「うん大丈夫だよ。もうそろそろで休養も終わるし……でもそしたらまた2人に会えなくなるね」
アールアールとバルーンチャートはかなりバチバチで、道ですれ違えば一触即発。
喧嘩が日常茶飯事なんだって。
この2人は普段から落ち着いていて滅多に喧嘩はしないから意見が合うらしい。
「そうですね……寂しいです」
湊がそう零すと、月羅先輩はちょっと驚く素振りを見せたあとニコッと微笑んだ。
「ありがとう2人とも!こんな可愛い後輩ちゃん達に会えた俺は幸せものだぞ〜っ!」
ぐいっと肩を引っ張られて、腕で首を固定される。
「痛い痛い、月羅先輩離して〜!」
「先輩苦しいですよ……っ」
「あはははっ!LINEするから返せよ?ちゃんと!」
月羅先輩とは幼なじみだからすぐにわかった。
きっと……『お仕事』が入ったんだ、と。
月羅先輩は寂しくならないようにいつも俺らを充電してからお仕事に行ってしまう。
どうやら今回は長そう。
俺も……いつか、マフィアグループに入ったりするのかな……?
月羅先輩とお弁当のおかずを交換しながらそう思った。
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