俺様御曹司は逃がさない
「だぁれに言ってんだよ」

「君以外居ないだろ……というか、そろそろ決めないとマズいんじゃないか?柊弥だけだろ、まだ決まってないの」


・・・・だから嫌なんだよなぁ、あのシステム。


そう思った時、俺の脳裏に過ったのは……


「七瀬 舞」

「え?」


そうか、そうだな、その手があったか。

くくくっ。アレは七瀬 舞で決まりだな。


「決まった」

「ん?」

「もう決まった」

「は?」

「蓮」

「あ、うん」

「俺の“最高のおもちゃ”……時期に拝ませてやるよ」

「は、はぁ……」


“なに言ってるだ?こいつは”的な顔をして、俺を冷めた目で見ている蓮。


こうして俺は“最高のおもちゃ”を手に入れるべく、七海 舞の学校に訪れ、かくかくしかじかあって……現在に至る。

不服そうに俺の隣に座って、車に揺られている七瀬 舞。

普通の女だったら大喜びすんのに、こいつは逆にキレてるっていうか、不機嫌そのもの。

くくっ。本当に面白い奴だな。


「おい、七瀬」

「……」


ムスッとして、俺の呼び掛けをガン無視しながら窓の外を眺めている。



「ったく、何様だよお前」

「それ、あんたにだけは言われたくない」


なかなか思い通りにはならなさそうな女。



──── こいつとの出会いが、俺の日常を大きく変えることになる。




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