俺様御曹司は逃がさない
「おいコラ。逃げようとすんじゃねーよ」

「離して!!馬鹿力ゴリラ!!」


ジタバタ暴れれば暴れるほど、九条に羽交い締めされていくあたし。


「俺から逃げられるとでも?」

「チッ!!」

「はいはい。言い返せないからって舌打ちだけっつーのはやめような~」


・・・・あーーもうっ!!本っ当に!!こいつは!!


────── 後日。


「おら、やるよソレ」

「……な、なにコレ」

「どっからどう見ても“苺”だろ。お前、目ぇまで馬鹿になったんかよ。救いようがねえな、ほんっと」

「これ……1粒いくらすんのよ……」

「あ?ああ、詳しくは知らねーけど数万じゃね?」

「そう……ですか……」


九条が“償い”として用意した苺が規格外すぎて、めちゃくちゃドン引きしたのは言うまでもない。


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