俺様御曹司は逃がさない
────── 月日は流れ11月。
文化祭の季節がやって参りました……とはいえ、ぶっちゃけエリートコースは関係ない。
一般コースの生徒達が準備をして、それにエリートコースの生徒達が招待される……というシステムらしい。
その日、全サーバントはマスターの元を離れて、民間警備や警察と共に、外周や敷地内の警備にあたることに。
あ、ちなみに体育祭もそんな感じだった。エリートコースの生徒は観戦するだけ。
体育祭は一般公開はされず、生徒関係者以外の立ち入りは原則禁止だったから、大きな問題はなかった。
でも、今回の文化祭は一般公開される=何だと思う?
そりゃピリピリムードにもなるよね。
とくに上杉先輩が。
毎日毎日、あーでもない、こーでもないと叱られ、ペナルティを課せられる日々。もはやイジメなんじゃないかって思い始めた今日この頃。
「君は口だけか?体術強化訓練も中途半端な結果で終わり、筆記試験は常に赤点。なんなんだ」
「いや……なんなんだ……と言われましてもぉ……」
そう、体術強化訓練の審査員は小島さん、そして……天馬学園トップ3の九条・西園寺兄妹が執り行うことに。
「んーー。悪くはないけど……免除ラインは越えないかな。ごめんね?舞ちゃん」
「ま、せいぜい泣きべそかきながら勉強に励むことね。哀れな人」