総長様は姫の姿を誰にも見せたくないようです。

総長サマの看病

楽しかった歓迎会がお開きになり、理事長さんのお家へと帰ると生徒会長さんがいた。一颯さんって言う名前だったはずと思い返す。しかし、どうにも生徒会長さんの歩き方がおぼつかなく、顔も青白いから大丈夫かなと思い見守っているといきなり倒れ込んでしまった。
あわわ、ど、どうしよう...
「生徒会長さん!?大丈夫ですか?少し、触らしてもらいますよ」
そう言って生徒会長さんの許可を取り、生徒会長さんの額に私の手を当てる。すると、案の定すごい熱だったらしく、火傷するほど熱かった。
「生徒会長さん!お部屋に運びますよ!」
幸いにも生徒会長さんは私でも運べるぐらいの重さだったため、お姫様抱っこで持ち上げることができた。
「...や、めろ。おれ、にさわるんじゃ、ねぇ、おれには、かかわんなッ」
そんな事言われても、病人は放おっておけないしと考え、あえてきつい言い方をする。
「嫌です!あなたは今病人です!大人しく休んでください!」
そう言って、生徒会長さんの部屋の暗証番号は知らないため、私の部屋に運び込み、ベットに寝かせる。
「ゆっくり休んでくださいね」
そう声をかけ、寝る準備をして、家から持ってきたベットになるソファで眠る。
翌朝、起きて生徒会長さんの様子を見に行ってみると、生徒会長さんは起きるところだった。病人でも食べれるようなものを作ってきたから、食べれるといいなと思い、料理を渡すと、生徒会長さんはお腹が空いていたのか、ガツガツと食べ始めた。食べ終わると、
「...美味かった」
と言われたので、嬉しくて満面の笑みで
「良かった!」
というと生徒会長は風邪がまだ治ってないのか、顔を赤く染めたので、
「ゆっくり休んでくださいね」
というと、
「あぁ」
とそっけない返事をしていた。なにか変なことをしただろうか?そう思いながらも学校へ行く準備をして、音々さんに生徒会長さんのことをお願いして、学校へ行く。
学校から帰ると生徒会長さんはまだ寝ていた。そーっと起こさないようにご飯の準備をしていると、生徒会長さんが起きてきた。音々さんいわくもう平熱らしいがまだ少し体がだるそうで足取りもおぼつかなかった。
「体調はどうですか?」
「...治った」
「足取りがおぼつかないのに本当に治ってるんですか?...そうだ!一緒にご飯食べませんか?」
「はっ?」
「颯士さんが生徒会長さんはいつもカップラーメンを食べてるって聞いているので栄養の取れる食事を取ったほうが病気にもなりにくくいいんじゃないかと思ったのです!あ、そうしたら私がここにお世話になっている間は私と一緒に毎食食べましょう!」
「...俺、了解なんて言った覚えないんだけど」
「あ、そうでしたね。すみません。突っ走ってしまって...」
「...いや、いい。お前の料理は美味しかったし」
「気に入ってもらえて良かったです」
「そういえばお前の名前はなんだ?」
「姫宮優姫です!優しい姫と書いて優姫です」
「優姫。これからよろしくな」
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