極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~

第1話 出会いと甘々な1日の始まり

 最近、身体がだるい。疲労感が取れないでいる。
 エナジードリンクを飲んでも、睡眠時間を長めに取っても無くならない。試しに病院に行ったら血液検査は異常無しだった。

「はあーー」

 私、倉田雪乃はこのベリが丘にあるオフィスビルで働いている。内勤の事務職と言う事もあって、ずっとパソコンとにらめっこしている日々を送っている。

(多分、仕事から来てるよな)

 この疲労感には心当たりがある。仕事だ。最近残業も多くてずーーっとパソコンのキーボードを動かしているからだ。うん、絶対そうだ。

(身体が凝り固まってるんだよなあ)

 すると、私の目の前にばさばさっと紙の資料の束が置かれた。

「倉田さん♡ これ処理よろしくねーー」

 置いたのは先輩方だ。派手な金髪に近い茶髪にピアスにド派手なメイク。いつも定時で帰宅してSNSに色んな写真をアップするのが楽しみと言う、嫌な人物達だ。
 そして彼女達は定時で帰宅したいがために、こうして後輩である私達に仕事を押し付けていくのである。

「はあ……」

 今日も今日とて残業である。時間きっかりに爽やかに退勤していく先輩達の背中を見送っていると、トイレから戻って来た同僚の1人が持つバッグから何か名刺のようなものが零れ落ちた。

(なんだこれ)

 拾いあげると、ベリーズと英字で書かれた店名らしき文字が見える。

「拾ってくれてありがとう」
「あのさ、ここどこ?」
「雪乃気になる?」

 そう意味ありげに言われたら勿論気になってしまうのが私の性だ。私は同僚に声をかけてみる。

「教えて欲しい」
「じゃあ、残業手伝おうか?」
「えっ、いいの?」
「言葉で教えるよりも直接体験した方がわかりやすいと思って」
「ふーーん……」
(何なんだろうか)
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