極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~

第4話 いざ、パーティーへ

 次の日の午前。午後からの半休は無事総務部長によって取得出来た。

「雪乃、午後から休むの?」
「うん。有給使う。結構溜まってるから」
「へぇーー、どっか行くの?」
「まだ考え中」
(パーティー出るとは言えないしなあ……)

 同僚には玲との関係は話していないし話せない。なので胸の中にしまって仕事に集中した。
 ちなみに母親と昨日帰宅した父親には今日は玲の元で泊まるとは伝えてある。

(よし、仕事片付けなきゃ)

 ノートパソコンと向き合い、さっさと溜まっている書類作成を進め、終わらせた所でお昼が来た。

(終わった終わった)
「お先ですーー」
「雪乃おつ」
「お疲れーー」

 タイムカードを押してロッカールームで私服に着替えて1階に降りると玄関前に黒いセダンの高級車が停車していた。

「これかな?」
「倉田さんですか?」

 若い受付嬢が私に声をかけてきた。私はそうです。と返事をすると車から玲が降りてこちらへと早歩きで向かって来るのが見える。

「雪乃さん、こっちです」
「あっはい」

 受付嬢からお気をつけて。とお辞儀をされながら私はオフィスを出て車の後部座席に乗り込んだ。

「これから家に行きましょう。お昼はどうしますか?」
「まだ食べてないんですけど……」
「では、食べに行きますか?」

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