あなたに出会って世界が変わる
魔の手
大学が始まった。
由衣と夏鈴は授業後、食堂にやってきた。

陸斗がバスケサークルのメンバーと昼食をとっている。そこには女の子もたくさんいた。また、陸斗はクールだが優しいので、男性からも人気がある。みんなに囲まれながら楽しそうに笑う陸斗を遠くから見つめた。

「陸斗さんだ。相変わらず、人気者ですな。」

「うん。そうだね。」

「陸斗さんとその後どうなの?ちゃんと名前呼んだ?」

「、、、、何もないよ。名前は呼んだよ。」

「呼んだんだ。えらいじゃん!!
それにあなた今、間がありました。何かあったでしょ?
言ってよー。私は翔太とのことなんでも話してるじゃん。」

由衣に言われ、キャンプの日の夜の話をした。
その後も2人で一緒に寝ている。夏鈴は陸斗が横にいると、とても安心して寝れるのだ。

「すてきーー!めっちゃくちゃいい感じじゃない♡
ねぇ、夏鈴さ、陸斗さんのこと好きでしょ?」

「、、、、、うん。でも付き合いたいとかは思ってないんだ。付き合ってどうこうしたいとかは全然ないし、抵抗あるし、、、。」

「付き合うとその先考えちゃうもんね!でも好きな人が出来た。その事に意味あるんじゃない?付き合うかどうかはゆっくり考えたらいいよ!!」

「そもそも陸斗は私の事好きじゃないと思う。
陸斗の周りにはキラキラした綺麗な女の人がたくさんいる。私みたいな地味な貧乏人とは釣り合わないよ。」

「私は陸斗さん、夏鈴のこと好きだと思うけどなー。」

2人はその後も話を続けた。
夏鈴は最安のきつねうどんを食べていた。


「夏鈴、これも食べな。倒れるよ。」

そう言って、陸斗は夏鈴の肩を叩き、おにぎりを渡してきた。

夏鈴は驚く。そして陸斗の行動はみんなの注目を集めた。大学一のイケメンがダサい服装の地味な女の子に話しかけているのだから。

「あっ、ありがとうございます。」

夏鈴は、そう言って、おにぎりをもらう。

「由衣ちゃん、こんにちは。授業お疲れ!」

「お疲れ様です。」

「また遊びに行こうねー。」

「はい、お願いします。」

「ほんじゃあ、またね。授業頑張れよ。」

そう言って夏鈴の頭を優しく撫でて、陸斗は戻った。
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