無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない
「とにかく、行くぞ。湊」

「え、俺なんで行くことになってんの」

どうやら自分はいかなくて済むと思ったらしい。

ちゃっかり、麗央のソファの横で最近はやりのミルフィーユを食べようとしていた。

気楽な奴め…。

「麗央はここに残って昼寝でもしてろ。」

「だるすぎ。」

そう答えた一向返事はない。

興味を失ったか、寝ようとしているか。

プるるるるるるるる…
ズボンのポケットから電話のバイブルがなる。

どうせ入学式の挨拶だろう。

毎年恒例のなぜか僕のスマホになる電話。
< 30 / 124 >

この作品をシェア

pagetop