無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない
最後に俺が校長に会釈して出ていこうとした。

「美鈴ちゃんをよろしくね。」

「…はい。」

特に自分に関係ないだろうと思うが…そう言っておく

まっ、麗央は女との生活お疲れさまということで、

部屋を出ようとしたとき入れ違いに栗毛色のあいつが入ってきた。

「栗栖…。」

「何の話してたの?」

何故か気になっている様子の栗栖。

答えるのもめんどくさくなってくる。


「知らん。」

「知らんはないでしょ?自分は美鈴ちゃんと麗央が同棲するところから聞きたいんだけど」

こいつ…地獄耳かよ。

確かに俺たちは‶いろいろと優れているところがあるが”こいつは嗅覚と聴覚…といった五感が敏感だ。

「そこまで知っているならいいだろ」

さっき栗栖が入ってきた分厚いドアを見つめて答える。


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