無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない
椎菜ちゃんの優しさにじーんとしてしまう。


一緒に更衣室に移動中、

「あれ栗栖様じゃない?」

椎菜ちゃんがそういう先には本当に栗栖様がいた。

え、嘘。

その横には隣の席に座っていた東郷様がいる。

あいかわらず眠そうにしているが、栗栖さまがいるせいかいつもよりは幾分目がさえていて時々あくびをしている程度だった。

「やっほ~美鈴」

いつの間に私の名前を知ったのだろうか。

しかも呼び捨て…。

今、すごく会いたくなかった人が目の前にいる事実に頭を抱えたくなってくる。

だって、栗栖様も女子から人気がある。

これいじょう火に油をそそいだら…とんでもないことになるだろう。

「く、栗栖さま。こんにちは…。」


できるだけ微笑んですぐに去ろうとする。
椎菜ちゃんはじっと見ていた。


「…なんでこんなに顔がいいんでしょうか、」


小さい声でそんなことを言っていた。
確かに顔はいいが女子の視線が…こ、怖すぎる。




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