世界の果てで、君との堕落恋愛。
薄明
真っ暗な夜だった。


病院から家に帰る車の中。

わたしとお母さんの間に会話なんてものはもちろんなくて、ただただ気まずかった。

もぬけの殻のように日々のルーティンをこなして、今に至る。

まだ夜の9時だというのに、早めに電気を消してベッドに入った。

薄い布団1枚を被るだけでは何だか心細くて、今だけは冬に被るふかふかの分厚い布団が恋しかった。

窓の外を見ると、星1つない。

ただ、その変わりにいつもよりはっきりとした光を放って、煌々と輝く満月が窓から顔を覗かせていた。

真っ暗な部屋の中に濃い月光が差して、瞬く間に白い光で埋め尽くされていく。

……これじゃあ、電気を消した意味がない。

その幻想的な風景に、今日だけは感動する気が起きなかった。


自分の体じゃなくなったみたいに、どんどん重力に従い、体が地球の中心に吸い込まれていくような、妙な感覚を覚える。


どこまでも続き、1度迷い込んだら一生出て来られないブラックホールの中へと引きずり込まれていく気がするのは、なぜだろう。

今まで必死になって稼いで、辛いことがあっても続けてきたモデルの仕事を一刀両断に否定されたから……?
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