秘密の恋をしませんか⁈ ロミオとジュリエットの恋*ハッピーエンドになります
2、秘密の恋人達の逢瀬と潜む影
姉と遅くに帰ったら、父は難しい顔をして出迎えてきた。

「樹梨と、上のラウンジで飲んでて、すっかり忘れてたの。どうせ、理央の顔見せなんだから、私達いなくても関係ないでしょ」

姉の言い訳に納得していないことは、父の表情からありありとみえる。

「もう、この子達もいい大人なんですから、いい加減、子離れしてください。昔の自分のこと棚にあげないでくださいよ」

うっと、唸る父は、知られたくない痛い腹があるのだろう。

「あなた達も、これからは遅くなるなら連絡ぐらいはしてちょうだい」

滅多に怒らない母の口調は強く、素直に返事をする私達だった。

『「はい」』

奥から、一番下の梨沙が頭の上で角を作っているあたり、相当、怒っていたようだ。母が。

その後、私は、今までと変わらずに過ごしている。

久世と懇意のある日本有数の財団、篠原大病院の事務員として働いている。

今日も、篠原院長の回診に、何人かの先生方がついて歩く。

その中に、見知った顔を見つけ、彼も私に微笑む。

姉達と同期の篠原 玲央だ。

幼馴染と言っていいだろう。

彼の後ろ姿に、あの日見た背中が重なる気がした。

似ている…まさかね⁈
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