1分で怖い話 part1
子供のころは少しジャンプして次の白線に飛び移ったりしていたけれど、今は足を伸ばせばすぐに白線を踏むことができる。

結局普通に渡り終わってしまった。
「この年齢になってやるとつまんねぇな」

そう言って振り向いたとき、渉が青白い顔をして横断歩道の真ん中に立っていた。

「どうしたんだ?」
急に気分でも悪くなったんだろうか?

一向に動き出そうとしない渉を心配したときだった、渉の足が白線からはみ出していることに気がついた。

右足のつま先が出ているのだ。
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