1分で怖い話 part1
それだけ告げてその生徒ははしゃぎながら帰っていってしまった。
内線電話を使って助けを求めるなんて今の時代は相当なことがないとありえない話だ。

みんな私用のスマホを持っているし、なにかあればすぐに警察へ通報できるシステムもある。
しょせんは子供が考えた怖い話というところだった。

それから数日後、俺はテスト採点を終わらせて帰るために1人で残業をしていた。
他の先生たちはもう帰宅していて、残っているのは俺だけだ。

外はすでに暗くなっているし早く帰らないといけない。
そう思って帰り支度を始めたときだった。

コツコツと廊下から人が歩く足音が聞こえてきた気がしてドアを開けて確認した。
けれど廊下に人影はない。
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