1分で怖い話 part1
キャンプに参加していたせい卒論が間に合わなくなってしまっては意味がない。

「だけど涼介はガッカリしたでしょう?」
「なんでだよ」

「とぼけちゃって。レイカのこと好きなんでしょう?」
近くで見ていると涼介はずっとレイカを視線で追いかけていることがわかる。

それを見ていて、実は少し嫉妬したりもしていたのだ。
ふたりのことを応援できない自分がいる。

だから、レイカが今日いないことは自分にとってチュンスなんじゃないかと思っていた。
「バーカ。そんなことないし」

涼介はそう言うと照れてしまったのか、お手洗いに向かったのだった。
< 69 / 95 >

この作品をシェア

pagetop