私が一番あなたの傍に…
「…今すぐに答えを出せないから、考える時間をもらってもいい?」

私達はまだ大学生だ。親の力も借りて、なんとか生活している。
そんな状態で同棲をすることなんて、私には到底、考えられなかった。
自分達の気持ちだけでは決められない。考えなくてはならない問題が山積みなわけで。誰かとお付き合いするのって、ただ楽しいことだけじゃないことを知った。

「もちろん、そんなすぐに答えを出せないと思うから、幸奈なりにゆっくり時間をかけて、答えを決めてほしい」

ゆっくりではあるが、どうやら知らない間に恋人として関係値を上げていたみたいだ。
ずっと同じままではいられない。いつかもっと色んな問題に直面するかもしれない。
私達にもようやくその時期が訪れたのだと思うと、私もちゃんと愁みたいに自分の想いが伝えられたらいいなと思う。

「分かった。ちゃんと私なりに考えて、答えを決めるね」

「おう。気長に待ってる」

まだ上手く考えは纏まっていないけど、前向きな答えが出せたらいいなと思う。
なるべく早く答えが出せるように、真剣に私は考えた。


           *


…とはいっても、一人では抱えきれないので、お昼休みに友達に相談した。

「試しに同棲してみるのもアリじゃない?」

友達の回答は案外、軽い返答だった。
友達の返答を聞いて、私が考えすぎなのかな?と思った。

「お互いに大学生同士だから、結婚はさすがに難しいし、相手もそこまでの覚悟は持てないと思う。
でも、お互いにアルバイトをしているわけだし、ちゃんと稼ぎはある。逆に今、学生だからこそ、結婚の真似事というか、まだ結婚を前提としない同棲は、今しかできないと思うよ」
< 51 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop