クールな御曹司は強気な彼女を逃さない


そうして、ニヤニヤしている
秘書の冨樫 涼太(とがしりょうた)を無視して、パソコンに向かった。

涼太は、仁の2つ上の兄貴。
つまりこいつも、俺の従兄弟。

今日のコイツは俺と2人きりなのをいい事に、プライベートモード全開だ。



「っチ」


「はいはい、純平、舌打ちしない」


「ッッチ」


「お前なぁ。仁から聞いたぞ?
すんげー美女持ち帰ったんだろ?」


「黙れ。俺のだ」



「ぉおーコワ。
急に独占欲剥き出しかよ。
んで、なんでそんなに機嫌わるいんだ?
ケンカでもしたのか?」


無視する。



「かわい子ちゃんに逃げられでもしたか?」


パソコンを打つ手が止まる。



「まぢ?
図星?嘘だろ?お前が⁈」


コイツはこうなるとしつこい。
俺が話すまで、付き纏うだろう。


もういい。仕事はおしまいだ。



「涼太。あと、どのくらいかかる。」


「ん。あと少し。」


「終わったらちょっと昼飯付き合え」



「詳しく聞かせろよ?」


そうして、あっという間に昼を迎えたのだった。





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