こんな雨の中で、立ち止まったまま君は
7章「偽り」




***


 心と身体

 どちらが欠けても人は満たされなくて


 欠けた一方を埋めようとして

 自分で自分を苦しめる



「幸せ」の基準を誰かが決めてくれたなら、

 どんなに楽だろう



 誰も決めてくれないから

 僕らはただひたすらに

 心の隙間を埋めようとする



 けれど それを

 誰にも責めることはできないんだ



 ―――わかってるのに…




***






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