清くて正しい社内恋愛のすすめ
 “草原に寝そべって、星空を見上げよう”がテーマのここでは、鑑賞する座席の種類も様々で、銀マットが敷かれたキャンプを想定させた場所もあれば、ふわふわの雲に寝転んだようなクッションシートもある。

 カップル用の席も用意されていて、デートスポットとしては、ここ最近注目を浴びている場所なのだ。


「あのね、ここすごく人気で。その……カ、カップルシートもあるんだって……」

 穂乃莉は顔を真っ赤にしながら勇気を出して声に出す。

 それでもついつい、恥ずかしすぎて声がフェードアウトしまった。

 “カップルシート”と言葉に出すだけで、全身から火が出そうなほど照れてしまう。


 ――やだ……顔が熱い。こんなんじゃ、加賀見の顔見られないよ……。


 穂乃莉は下を向いたまま、繋いだ手がじんわりと汗ばんで来るのを感じていた。

 加賀見は今、どんな顔をしているのだろう。

 穂乃莉がそう思った瞬間、ふわっと加賀見の香りが漂い、穂乃莉はその香りに包まれるように抱きしめられた。
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