清くて正しい社内恋愛のすすめ
あの時、周りを見る余裕すらなかったが、二人の言い合いを見ていた人がいたのか。
その後フロアに戻ってからも、穂乃莉は脇目も振らずに仕事に集中していたから、まさかあの言い合いが噂になっていたなんて気がつかなかった。
「それで、何があったんだよ……?」
加賀見が急にまじめな顔つきになると、ベンチに置いていた穂乃莉の手に自分の手を重ねる。
穂乃莉はドキッとして、加賀見の顔を見上げた。
「午後に出社した時から、穂乃莉の様子が変だった。言い合いしたって話だってそう。俺が、気がつかないとでも思ったのか?」
加賀見の低い声に、穂乃莉は小さく瞳を開くと、慌てて目線を下に向ける。
加賀見はいつだって、穂乃莉の小さな変化に気がついてくれるんだ。
重ねられた手のひらから加賀見の温もりが伝わってくる。
穂乃莉はしばらくして「ねぇ」と口を開いた。
「加賀見は、お母さんのこと好き……?」
「え? 母親のこと……?」
加賀見は戸惑ったように首を傾げる。
その後フロアに戻ってからも、穂乃莉は脇目も振らずに仕事に集中していたから、まさかあの言い合いが噂になっていたなんて気がつかなかった。
「それで、何があったんだよ……?」
加賀見が急にまじめな顔つきになると、ベンチに置いていた穂乃莉の手に自分の手を重ねる。
穂乃莉はドキッとして、加賀見の顔を見上げた。
「午後に出社した時から、穂乃莉の様子が変だった。言い合いしたって話だってそう。俺が、気がつかないとでも思ったのか?」
加賀見の低い声に、穂乃莉は小さく瞳を開くと、慌てて目線を下に向ける。
加賀見はいつだって、穂乃莉の小さな変化に気がついてくれるんだ。
重ねられた手のひらから加賀見の温もりが伝わってくる。
穂乃莉はしばらくして「ねぇ」と口を開いた。
「加賀見は、お母さんのこと好き……?」
「え? 母親のこと……?」
加賀見は戸惑ったように首を傾げる。