キスから始まるもののけ譚 【マンガシナリオ】

第14話 切り裂かれた服

〇神社、境内


九郎と出会ってから、1ヶ月ほどたった。


毎日のように出てくるもののけ、それをなんとか倒していくめぐみ。


めぐみ「護符(ごふ)よ、その力を持ちて悪しきを滅せよ!」


持っているお札の文字が光だし、クマのようなもののけに向かって投げる。


もののけはお札が当たる直前に、振り下ろした前足がめぐみの目の前に迫る。


九郎「めぐみ!」


九郎がめぐみの腕を引っ張り、攻撃から守ろうと抱き留める。


だが、めぐみの服(パーカー)に爪がかかり、服の胸元が切れる。


その後、もののけはキラキラと光となって消えていった。


九郎「めぐみ、大丈夫!?」


慌てた様子で抱き留めためぐみの肩に手を置きながら声をかける。


めぐみ「だ、大丈夫。服だけが切れちゃったみたい(いつもの事だけど、本当に距離近いな)」


少し照れながらも、切れたところをさするめぐみ。


自分の服を引っ張るようにして切れたところを見る。


めぐみ「(ざっくり切れてる・・・下にインナー着ててよかった)」


九郎「そっか・・・怪我してなくてよかった」


めぐみの左肩に頭を乗せ、抱きしめながら安心したようにため息をつく。


めぐみ「っ・・・(なんで抱きしめられてんの!?)」


九郎「・・・でも服、もう着れなくなっちゃったね」


めぐみ「えっ、ま、まぁ・・・こんだけ切れちゃったらね」


めぐみを抱きしめながらポツリと呟く九郎に、動揺しながらも答える。


九郎「そうだ・・・ねぇ。めぐみ、明日って暇?」


めぐみ「え、暇だけど・・・」


九郎「服破れちゃったから、代わりの服、買いに行こう?」


めぐみのことを見ながらコテンと首を傾げる九郎。


めぐみ「えっ、それは・・・(暇だけど、九郎と一緒に買い物か・・・なんか変に緊張しそうだしなぁ)」


考え込むめぐみ。


九郎「ねぇ、一緒に行こ?・・・だめ?」


めぐみ「っ・・・!?」


めぐみの耳元で甘くささやく九郎、息を飲むめぐみ。


めぐみ「わ、わかった!行く!行くから!!離れて!」


目をつぶりながら顔を赤くしてジタバタと暴れるめぐみ。


九郎「ふふっ、はいはい」


愛おしそうに笑いながらめぐみから離れる九郎。


九郎が離れてから、左耳を押さえて九郎をにらみつけるめぐみ。


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