キスから始まるもののけ譚 【マンガシナリオ】

第23話 決着

〇神社、境内


激しくぶつかり合い、お互いか傷を負ってる九郎とルカ。


結界の中にいるめぐみは、九郎が勝つ事を祈っている。


ルカ「そろそろ限界だろ!?九郎!!」


九郎「それはそっちもでしょ、電気の出力が落ちてきてるよ!」


ルカの攻撃をかわし、お札を投げつける九郎。


だけど、ルカは腕を振り払ってお札を弾き落とす。


もう1枚お札を取り出そうとした九郎が、動きを止める。


ポーチの中には、もうお札は残っていなかった。


ルカ「・・・はん、札が尽きたか。終わりだな!!」


勝ちを確信したルカは距離をつめて九郎に電撃を食らわせる。


九郎「ぐっ・・・!」


地面に倒れ込む九郎。


めぐみ「九郎!!」


結界に手を付き、九郎を心配するめぐみ。


倒れ伏した九郎。


だけど、九郎の表情に絶望の色は無い。


ルカ「・・・これで・・・これで、ようやく仇を討てる・・・!!」


上がりきった息を整えるように上下に動く肩。


遠くに倒れた九郎に向かって歩き出すルカ。


ルカ「・・・これでお前の無念を晴らせるぞ、エマ」


九郎「・・・終わり、だね」


体を起こしながら、ポツリと呟く九郎。


ルカ「あぁ、テメェの面を見なくていいと思うと精々するぜ」


めぐみ「九郎!九郎っ!」


ドンッドンッと結界を叩き、外に出ようとするめぐみ。


だけど、結界は壊れない。


慌てた様子で結界を叩くめぐみを見て、愛おしそうに笑う九郎。


ルカ「別れの言葉、済ませとけ。最愛の人との別れはツレェもんだからな」


九郎「ふふっ、ルカのくせに優しいね。でも、そうだな・・・会えるといいね。彼女に」


そう言ったあと、手を伸ばす九郎。


九郎「全ての護符よ、悪しきものを滅せよ!!」


そういうと、ルカの周囲の地面に落ちていたお札が光り輝いた。


ルカ「なっ、なんだ!?」


九郎「・・・君とは・・・いつか、関係をやり直せると思ってたんだけど・・・残念だよ」


前に伸ばした腕を振り上げると同時に、お札が宙に舞う。


九郎「バイバイ、ルカ。彼女に、会えるといいね」


まばゆい光を放つお札が中央に立つルカに向かって収束する。


ルカ「ぐわぁあっ!!」


ゆっくりとだが、足元からハラハラと消えていくルカ。


ルカ「・・・テメェ!!最初からこれが狙いだったのかぁ!?」


九郎「うん。ごめんね」


困ったような笑みを浮かべる九郎。


ルカ「クソォ!許さねぇ!!許さねぇぞぉっ!!」


九郎「許さなくていいよ。元々、そんなつもりはさらさらないからね」


頭を抱えて雄叫びをあげるルカに淡々と告げる九郎。


九郎「僕的には彼女のいないこの世界に居続けるよりは、滅される方がマシだと思ったから」


ルカ「チッ・・・なにを知ったような事を・・・!!・・・だが・・・まぁ、そうだな・・・」


チリチリと上半身が消えていくルカ。


そして、顔が消えていく。


ルカ「・・・会いてぇな・・・アイツに・・・」


悲痛な声と共に全てが消えていくルカ。


九郎「会えるよ、きっと」


完全に消えたあと、ルカがいた場所に向けて言葉をかける九郎。

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