ミステリアスな王太子は 花嫁候補の剣士令嬢を甘く攻め落とす【コルティア国物語Vol.1】
「もう、何がどうなってるのよ」

湯に浸かりながら、クリスティーナはため息をつく。

敵の要塞から王宮に帰ってくる間も、フィルはクリスティーナの質問をのらりくらりとかわし続けていた。

先程ロザリーを問い詰めると「申し訳ありません、わたくしの口からは…」と困ったようにうつむくばかりだった。

「フィルが王太子様ってこと?じゃあ今までのあの人は?」

考えたところで答えは出ず、のぼせそうになったクリスティーナは諦めて立ち上がった。
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