八月の蛍、あの夏の歌

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 舞台は大成功。

 お祭りは最高潮の盛り上がりを見せて、三年生なんて物凄く驚いてた。カズの両親は息子の晴れ姿に泣いちゃって大騒ぎで、灰坂のおじいちゃんもおばあちゃんも嬉しそうに終わった後の灰坂を抱きしめた。
 僕らは見事に今までと同じ曲で、今までに無い物を見せる事が出来たようだ。
 歴史を変えたと言っても大げさじゃないみたい。だって先生も泣いて喜んでいたから。
 そして、極めつけは演奏終了後。感極まって「よくやった!」と泣きながらカズに抱きついたユキを見てみんなが冷やかす中、カズだけがいつもと違う状況に困って顔を真っ赤にしながら手をバタバタさせていた事。あれは傑作だった。声を出して笑ってしまった。

 そして舞台を下りると、僕の父さんもやっぱり泣いていた。
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