パーフェクトブルー -甘くて眩しいきみの色-


隣に視線を向けると、深い群青とぶつかった。


私の心臓はけたましく音を立てた。

隣にいる彼にまで聞こえてしまうんじゃないかと不安になる。



「アンタの指、細くて綺麗だな」



「そう…かな。…人に指を褒められたのはじめて」



気を紛らわそうと答えた軽口も、震えてしまって、かえってその空気を逃れるための言い訳みたいに聞こえる。



「葉月」と、彼が私の名前を口にする。



彼から名前を呼ばれるたびに、身体の中が熱くなる。



彼は私の手に視線を向けながら口元まで持って行くと、ちゅっとキスを落とした。

伏せた長いまつ毛がゆっくりとまたたいて、こちらを見る。



まるでこちらを揶揄っているような視線の動きだった。


かあっと耳まで熱くなっていくのがわかる。



人にこんなふうに触れられるのは慣れていない。




柳のことが好きだ。

そう確信した時から、もっと彼のそばにいたいと、そしてもっと彼に触れたいと思うようになった。


実際、あの事件があった時も
彼がそばにいてくれたおかげで私は正気でいれた。



だけど、こんなの
知らない。




「や…なぎ…」



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