友達以上恋人未満の片想い
「あ、あの五十嵐くん」
教室を出ようとしたところで、星野さんが呼び止めてきた。
「あの、ね、今日のことは本当に内緒で…」
人差し指を唇に当てて照れくさそうに微笑んだ星野さんに、思わず見惚れてしまう。
ハッと我に返り、俺らしくもなく頷くことに精一杯で、そそくさとその場を離れる。
…なんだ、これ。
胸を鷲掴みにされたかのように苦しくて、星野さんの笑顔がずっと頭にこびりついて離れなかった。
*
「ねーえ?恭弥?話聞いてる?」
「…え?」
机に頬杖をつきながら、窓側の席で友達と話している星野さんをぼーと眺めていると、目の前にメイクばちばちの顔が現れた。
「だからー今日もエミのうち来る?って聞いたのー。だって昨日の恭弥、頼んでたケーキ買い忘れるし、キスで終わりにするし全然楽しくなかったもん。今日も親帰ってくるの遅いし、エミんち来てよー」
「…ごめん、今日はもう先約があるんだ」
本当はそんなものなかったけど、思わず嘘をつく。
「もう、エミとの時間は無駄にしたくせに、今日は違う女と寝るんだ。恭弥って本当クズだよねー。まあエミは恭弥のそういうとこが好きなんだけど♡」
教室を出ようとしたところで、星野さんが呼び止めてきた。
「あの、ね、今日のことは本当に内緒で…」
人差し指を唇に当てて照れくさそうに微笑んだ星野さんに、思わず見惚れてしまう。
ハッと我に返り、俺らしくもなく頷くことに精一杯で、そそくさとその場を離れる。
…なんだ、これ。
胸を鷲掴みにされたかのように苦しくて、星野さんの笑顔がずっと頭にこびりついて離れなかった。
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「ねーえ?恭弥?話聞いてる?」
「…え?」
机に頬杖をつきながら、窓側の席で友達と話している星野さんをぼーと眺めていると、目の前にメイクばちばちの顔が現れた。
「だからー今日もエミのうち来る?って聞いたのー。だって昨日の恭弥、頼んでたケーキ買い忘れるし、キスで終わりにするし全然楽しくなかったもん。今日も親帰ってくるの遅いし、エミんち来てよー」
「…ごめん、今日はもう先約があるんだ」
本当はそんなものなかったけど、思わず嘘をつく。
「もう、エミとの時間は無駄にしたくせに、今日は違う女と寝るんだ。恭弥って本当クズだよねー。まあエミは恭弥のそういうとこが好きなんだけど♡」