あの日の約束を、聖なる夜に。



まだ宏斗から連絡がないので

小さい頃よく行っていた屋上にあるガーデンに行ってみる



「さっむ、」



ちょっとだけ外に出たことを後悔しながら

近くのベンチに座り遊んでいる子どもたちをみる

ふと小学生の頃宏斗とここにきた時の思い出が浮かんできた



「あけみー」

「水入るのはさすがにおこられるってば」

「だね、やめとくー笑
 お母さんたち遅いね!」

「また盛り上がってるんじゃない?」



私たちも仲が良かったけど、母親同士はもっと仲が良かったから

4人で買い物に来たときには

よく私と宏斗はガーデンにお菓子を持たされて置いていかれていた

今、この日のことを思い出した理由はたぶん、



「ねぇ、ねぇ、あけみ!」

「なーに?」

「あけみ、僕のこと好き?」

「きらーい、いっつも騒がしんだもん」

「えー!僕は大好きだよ!?
 ずーっとあけみといる」

「・・私も好きだよ、宏斗と幼なじみで良かった」

「うれしいー!
 じゃあさ、約束しよ?」

「約束?」

「うん、大きくなっても好きって言う約束!」

「ひろともだよ?」

「当たり前じゃん!」

「「指切りげんまん、嘘ついたらもう一生遊ばない!ゆーびきった!」」



2人で元気に指切りまでして、顔を合わせて笑いあったその記憶。


今考えれば、

純粋で、何にも考えてない私たちだから言えた言葉だけど

今もこうやって自分の気持ちを素直に伝えられたら良いのにって思う。
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