【ファン限定】もふもふ令嬢マーガレットと偏愛辺境伯クリスチャンの後日譚 part1 Lunch box & Nap



「だんさん、見てぇ? あの雲、オニビウサギみたいや」

「本当だなぁ……」



草むらに横たわって、青い空を見上げて。

なんもせんと、ただだんさんと一緒におる。

うち、今幸せやなぁ……。

幸せで、いっぱいや……。

嬉しゅうて、温こうて、柔らこうて。

ああ、ずっとこんなんしてたいわぁ……。



「あの雲はマーガレットに似てる」

「え? どれ?」

「あの左側の大きい雲」

「え~そやろか?」

「ああ、ふわふわしてもこもこなところが似てるな」

「ん~……、うちにはワラビネズミの大きいのんのほうがまだ似てる思うけど……」

「それも似てる」



だんさんが、くすっと笑い声を上げた。

見たら、優しそうな目して、こっちを見とった。

……え、うちがワラビネズミに似てる言うこと?

もう……っ。

だんさんにとって、うちはいつまでたっても子ども扱い……、いや、ネズミ扱いや!

うちはちょい拗ねて、だんさんの胸に縋りついた。



「ううん……、ずるい……」

「……ずるい?」



だんさんが体を傾けてうちを撫でてくれた。

だんさんになでなでされるん、好きや……。

優しゅうて、大きゅうて、温ったかい手。

大事にされとるって気ぃして、安心できるんや……。

ほんま、気持ちええなぁ……。

きっと動物や魔物が人になでなでされるんも、こない嬉しゅうて気持ちがええんやろ思うわ……。

そないなことを考えとったら、うちはすっかりだんさんの腕に抱かれて居眠りをしてしもうた……。














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