手の届かない、桜の木の下の君へ


そういったきり、少しの間だまった先生


「・・ことりが生きているのさ、結構奇跡みたいなもので
 正直・・ひなと同じ時期に死んじゃってても全然おかしくなかった」

「うん、」

「ずっと守ってくれてたんじゃないかな、2人が
 生きてほしいって、思ってたんじゃないかな」



苦しそうな顔をしてうつむきながらそういったみどり先生

その姿を見て、言いたくなった言葉はたった1つだけ



「ありがとう、先生」

「どうして、」

「だって、ちゃんと私のこと考えてくれてて
 忘れちゃった私のこと、ずっと、ずっと守ってくれてた。
 ありがとう、ございました」

「急に大人になっちゃって、」



今まで見たことないくらいに泣きながら、笑う姿を見ていると

なぜか私も泣けてきて、2人で泣きながら、笑った
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