この結婚には愛しかない


一緒にお風呂に入って、まだ寝るには早い時間だけど、ベッドに入って全身余すことなくたっぷりキスを浴びて。

「大きいベッドになったらいろいろできるね」

キスだけで蕩けていて頭がふわふわして、怖いこと言ってるなということはぼんやりとしか理解できない。


「莉央の部屋だと声も気になるしね。こんなかわいい声絶対誰にも聞かせたくない」

わざと声が大きくなる箇所を甘く吸う。あふれ出る蜜を指ですくい、見せつけるようにその指を舐める。


「俺も莉央のいい所もっと見つけて気持ちよくしてあげたい。ここはすぐ見つけたけど」

ひときわ大きな声が出て、慌てて手で口を押える。


「ん、違うよね」

伊織さんがその手を口から外し、ぎゅ、と握る。伊織さんの唇が、私の声を飲み込む。


「莉央は身体も素直だね。最高にかわいい。ねえ、俺が莉央を愛してるところ見てて」

恥ずかしいのに目が離せない。私に夢中になってる伊織さんをもっと見たい。

「莉央の中に入った瞬間、背中がゾクッとするほど気持ちいいんだ。それにほら、俺を欲しがって絡みついてくる」


その熱っぽい瞳も、熱い身体も、伊織さんの全てが愛おしい。


「ベッドはあまり大きくなくていいです」

伊織さんの大きなTシャツを着させてくれて、お水を飲ませてくれた伊織さんにそう言うと。


「かわいすぎるよね。ベッドが大きくなってもくっついて寝るから大丈夫だよ」

私の考えはお見通しだった。
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