この結婚には愛しかない
「教えてくれてありがとう」

不思議なくらい思考がクリアになった。あと2週間で何ができるか。少しでも神田さんに好きになってもらいたい。ほんの少しだけでも、かわいいと思ってもらいたい。


「莉央すごくいい顔になった。2週間を無駄にできないね」

「私も今同じこと考えてた」

「この前一緒に行ったエステ良かったよね。とりあえずそこ行こ」

「付き合ってくれるの?」

「当たり前だよ。私もいつも綺麗でいなきゃ。湊に好きでいてもらえるように。あいつモテるから心配だし」

「ついでに買い物も付き合ってくれない?食事の時に着るオシャレで大人っぽい服欲しい。あっ、ワンピどうかな?」

「ワンピは脱がしにくくない?やだな、パーフェクトな伊織王子がこれからって時にファスナーでもたつく絵」

「佐和!」

「伊織と莉央でいおりお。語呂良くない?」


佐和と大笑いしてるところに、長谷川くんと湊さんが戻ってきた。

アイスの抹茶ラテを渡してくれながら、2人して「女ってわかんねえ」と声を揃えるからまた笑った。
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