この結婚には愛しかない
4.花束と指輪に思いを乗せて
神田専務のリスケはかなり強引で。

3泊の韓国出張を一日早く切り上げて、今空港から直接私のマンションに向かってくださっている。

『食事の詳細はまた連絡する』とあの日メッセージをくださったのに、連絡いただいた内容は、18時30分にマンションに迎えに行く。という詳細と呼ぶには大いに不足したものだった。


私は今日有給をとった。ビジョン10があとは神田専務や社長たち経営層の判断を仰ぐところまで出来上がったので、長谷川くんも有給をとって友だちと海に行くと言っていた。

午前中はゆっくり過ごし、午後から美容院でヘアセットとメイクをしてもらって、少し前に帰ってきたところだ。


もうすぐ約束の時間。部屋の姿見鏡に映る自分を見て、改めて緊張してきた。

佐和と選んだ黒の長袖チュールトップロングワンピース。胸元と袖は繊細なレースのシースルー。スカート部分はシフォン生地で体のラインが綺麗に見える。
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