はじめては誕生日のあと

6、真実~side 碧~


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 もう何度目かの縁談話に辟易していたとき、柚葉の写真が送られてきた。
 正直、今までの令嬢と違って平凡でどこにでもいる女だなと思った。

 だからこそ興味がわいた。
 金持ちの女はやたらプライドばかり高い。
 おとなしい女もいるが、こっちは堅苦しい。
 何人かと会ってみたがいまいちだった。

 柚葉の詳細を知りたくなって調べてみたらすでに彼氏がいた。
 まあイマドキの女子高生なら彼氏くらいフツーだろう。

 なんだ俺、期待してたのか。
 自分に失笑した。

 あれから3か月くらい経って、たまたま取引先の社長の家に招かれた。
 それが夏川美愛の家だった。

 美愛は部屋に男を連れてきていた。
 その男と偶然鉢合わせたとき、衝撃を受けた。

 この顔、どこかで見たことがある。
 そのあと美愛が「友樹」と名前を呼んだので確信した。

 おい、おまえ。なんでここにいる?
 なんで美愛の部屋から出てきてんだ?
 おまえは柚葉の彼氏だろ?

 
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