溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
「さあ、学園側もこの競技には思い入れがあって、力を入れてるんじゃないですかね」


「なるほど、それもそうだね」


彼の憶測に深く頷いた。


「この競技の趣旨は執事との絆を深めることです。
みなさん執事と協力して楽しんでプレーしてくださいね」


「はーい」


生徒達はのんびりした返事をする。


桜組の体育の授業は緩くて出席しているだけで単位はもらえる。


真剣に取り組む生徒も少ない。


良家のお嬢様ばかりだから、基本的に汗を流すことは苦手なんだ。


そして、私はクラス一の運動音痴。


「協力プレーか、なんか楽しそうですね」


だけど、私の執事は運動神経が抜群なのでやる気満々の様子。


「はは、そうだね……」


乾いた笑いでこたえる。


でも、そんなにはりきらなくてもいいんだけどな。


球技って1番苦手。


私が紫音の足をひっぱらないか不安だよ。
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