溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
実は、彼はうちの邸の敷地内にある離れで寝起きしていたらしい。


そこで息を潜めて、私の危なかっかしい一人暮らしを見守ってくれていたんだ。


部屋から出て行こうとする彼の背を名残惜しく見つめた。


私はちょっぴり物足りなくて。


もっと彼と話したかったな。 


なんて、思ってしまうのは私のわがままかな。


だけど明日の朝、目が覚めたら彼はちゃんと起こしに来てくれてまた以前のような暮らしが始まるんだ。


だから明日、たくさん話せばいいよね。


そう思って、ベッドに横になるとドッジボールで疲れていたせいか、5分もしないうちに眠りについていた。


それなのに……。



私は、真夜中に突然目が覚めてしまった。

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