溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
けど、まだ引き下がりたくない。


「俺のほうは気にしなくていいです。ちょうど授業をサボりたかったんですよ。 ここでのんびりします」

軽い調子で提案してみる。

 
すると、彼女は小さい子どもを諭すように優しく笑ってこう言った。


「紫音は学年一位をキープしてるんだからサボったらダメ。如月家の自慢の執事なんだから」


「はあ……」


どうやらこの勝負は俺の完敗のようだ。


いずれにしろ執事の俺はお嬢様の言いつけを聞かないわけにはいかない。


「頑張って」


「わかりました」


お嬢様にそこまで言われたら、授業を無責任にサボるわけにもいかないか。


俺は如月家の執事として恥ずかしくないように普段から文武両道を心がけていて。


やるからには何事も1番を目指した。


執事科と言っても執事の専門科目だけをやればいいわけじゃない。
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