冴えないモブ先生の正体はS級王子様!?
なのに、なんでだろう。

放課後、私は担任に生徒指導室に呼び出された。
なんで職員室じゃなくて、生徒指導室?

そこには学年主任までいた。

もしかして…奏せんせいとのこと、バレちゃったの…?

「瀬音さん、ちょっと聞きたいんだけどね、えーっと、先生はもちろんあなたのこと信じてるんだけどね?」

「はい…」

「あなた、今回のテスト、………カンニングしてないわよね?」

「………はいっ!?」

どういうこと!?言われてることが全然理解できない!
どこでそういう話になっちゃったの!?

「失礼だけど、きみ、前回の点数を覚えてるかな?」

「えっと…赤点………以下ですね」

「確か社会の授業の出席率も著しく低くて単位に関わるって話じゃなかったかな?」

「そうです…けど、だからこそ頑張ったんです!そ…水瀬先生にも迷惑かけたくないし!酷くないですか…?生徒が頑張ったら褒めてくれてもいいんじゃないのかなって思います。落ちこぼれの生徒が結果残したら、今度は不正を疑うんですか?それじゃあ努力なんて誰もしたくなくなっちゃう!酷いです…」

「あ…あのね瀬音さん…」

担任はオロオロとうろたえている。
きっと学年主任に言われてそうするしかなかったんだ。

それでも私を信じてるって学年主任に言ってくれなかったことが悲しかった。
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