半径3cm未満に(2)
「…せんせ…私…もお帰りたい…」

魚島先生は、星川先生みたいに特別かっこいい訳じゃない。

でも、他の人よりもすごく優しいって事。

…私は知ってるから。

「星川先生が魚島先生と私が一緒に住んでるの嫌だったら、私、自分の家に戻るよ…。だから…魚島先生に、会いたいの…」

「…日向、もう1回、おなか見せてもらってもいい?」

私がうなずくと、先生は服を小さくめくった。

「いつ傷したの?」

「えっと…どようび…? 先週の土曜日…かな…。」

「日向、たしかにここの傷も痛かったと思うけどさ、日向が今1番ケアしてあげないといけないのは心だよ?」

心?

「どういうこと…」

「覚えてるよね?俺に相談してた時のこと。」

「…そんなの…あたり前じゃん。」

先生を上目遣いで見つめた。
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