半径3cm未満に(2)
『え、何その手紙?ラブレター?』

『へっ!?ちがうと思うけど…』

『え〜、見せて〜』

早苗ちゃんはそう言って手紙を私の手から抜き、ひらいた。

『な、何、これ…』

早苗ちゃんの表情はかたくなり、頬が少しピクピクとうごいた。

『どうしたの?』

『恋衣っち、これ見て、何も言わないって約束て…?』

『う、うん…?』

早苗ちゃんからその手紙をうけとって、中身を見て、私はかたまった。

<恋衣ちゃん、消えてください。目ざわりです。>

どういうことか、よくわからない。

そう思った。



それから、1ヶ月がたった。

『おはよ、恋衣っち。今日はどう?』

『おはよ。やっぱりあったよ』

1週間に3回、私の机の中にあんな手紙が入っているようになっていた。
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