邪魔したくないから



「あー花蓮ちゃんの話なら、お友達にしたらどうかな〜私そういうの得意じゃないよ」


意地を張って強がって、バカみたい。けど、惨めになりたくない。


無理に口角を上げる。


「蓮くーん!おはよ……あ!紗良ちゃん!おはよう」


小走りで走ってくる花蓮ちゃん。そっか、やっぱりふたりはまだ一緒に登下校してるんだ。


何しに来たんだろ。見せつけ?


「あ、じゃあ私先に行くね」


2人の顔も見ずに、背中を向けて学校へ向かった。


***


昼休み。


「ねぇねぇ紗良。なんか神崎蓮が来てるけど、」


「え?」


桃ちゃんが怪訝そうに教室のドアを見るので、それにつられて私も視線を変える。


「ほんとだ」
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