年下の彼は甘い甘い鬼



繰り返される熱が


時折、啄むように音を立てる



終わらないそれに




息が苦しくなった



・・・もう、ムリ



煽惑的なリップ音が聞こえた瞬間


顔を背けた


「オネエサン?」


戸惑いを含んだヒロの声に


止めていた息を吐き出せた



「・・・死、ぬっ」


呼吸を荒くした私の耳にチュとキスをしたヒロは


「息、止めてたの?可愛い」


唇を耳につけたまま甘く囁いた


「・・・っ」


今度はゾワリと背筋に甘い痺れが走る


長い指が顎を捉え


ヒロの熱っぽい瞳と視線が絡んだ瞬間


「鼻で息してて」


スーッと細めた目に



“喰まれる”



そう思った




ギシと音を立てるソファ



僅かにヒロの重みがかかる



頭の後ろに手を差し込まれたと感じた、刹那



塞がれた唇が再び熱を帯びた

















初めての彼氏と初めてのキス



高揚した気分と心地の良い酔いが






強い眠気を誘引する




意識が途切れる間際



「オネエサン。おやすみ」



ヒロの優しい声が聞こえた気がした










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