俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛
橘 龍司、三十九歳、かつて私が愛した男性、橘不動産の御曹司である。

「龍司さん」

「みゆ、迎えに来たよ」

「えっ?」

「社長になって仕事も軌道に乗ってきた、やっと僕の言うことが通るようになった、みゆ、結婚しよう」

「龍司さん」

龍司さんと私が見つめ合っている間に社長が立ち塞がった。

「盛り上がってるところ悪いが、みゆを口説いてるのは俺が先だから、割り込まないでくれ」

「君は?」

「人に名前聞く時は自分から名乗るのが常識だろう」

「橘不動産取締役社長、橘 龍司だ」

「俺は桂木ホテルリゾートの桂木廉也だ」

「みゆの後輩か何かか」

「社長だ、まっ、就任したばかりだがな、悪いがあんたに順番は回って来ない」

「どう言うことだ」

「みゆは俺が落とす、みゆ、行くぞ」

社長は私の手を引き寄せ車に乗せた。

「みゆ、改めて迎えに来るよ」

私は視線を龍司さんに向けたまま、社長に引き寄せられた。

「みゆ!」

社長はいつもより力強い声で私の名前を呼んだ。

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