となりの色気がうっとうしい
「俺が今から授業するから、月雨ちゃんはそのノートに書き込んだらいいよ」
天海くんは「座ってて」と再び座るように促してから、教科書を何冊か持ってきてテーブルに置いた。
どうぞ〜と私の前には、多機能ペンと消しゴムも揃えられる。
……さすがに、これはちゃんと勉強するつもり?
テーブルの上には、天海くんがさっき準備してくれた氷の入った麦茶。
お茶まで出してくれたわけだし、しょうがないから、一杯ぐらい付き合ってもいいかな。
「これ飲んだら帰りますから」
渋々腰を下ろして、入れてもらったお茶を一口飲むと、天海くんが満足そうに隣に座る。
「じゃあ、天海先生の授業始めますね〜」
彼の耳には複数の穴と、治安の悪い形のピアス。
世界で一番、似合わないセリフだと思った。
成績学年一位が、どんな教え方をしてくれるのか、少しは気になるから。
私はもらったばかりのノートを開いてペンを持った。


